過去は消すものではなく、包むもの
先日、母が郵便局で朝顔の苗を貰ってきた。「ご自由にお持ち帰りください。種が出来たら、お返しください。」と書いてあったらしい。
種から育てるのが一番大変だから、と母は喜んでいた。
持続可能な素晴らしい取り組みだと思った。
一年草は、季節が終わると種や球根に戻る。
でも、それで命が終わるわけではない。
これまでのことを全て包んで種や球根になる。
そして新しい季節を待つ。
全てをリセットして生まれ変わるわけではない。
それが生命を持つモノたちの営みだと思う。
わたしたちもそうだ。
生まれ変わったつもりで生きることはできる。
モノゴトを一からやり直すこともできる。
でも、リセットは出来ない。
何を消しても、名前を変えても、
リセットすることだけは出来ない。
それだけは間違いない。
だから、どんな過去も想いも、
ココロの種子で包みまれているはず。
だからこそ、大輪の花が咲くのだと思う。